子は親の鏡

倅が「中学になったら塾はやめたい」と言った。
間もなく公立高校の受験である。私立の中学は行かなかったので来るべき3年後にはうちの倅もいずれかの高校を受験するだろう・・・
どうしても親の欲目で出来るだけ大学進学に有利な進学校に行って欲しいと思う。一人しかいない子なので出来る限りの事はやってやりたい。
友達のお母さん方もスタートが大事と今から中学の準備講座の塾に通わせている。大抵どこも全科目あり平日に3時間、大体22時までみっちりと授業が行なわれる。倅は辞めたいといったのはこの時間を聞いてから、、ゲームをやる時間がないだとかTVアニメを見る時間がないだとか、、、。子供だけでなく親も大変である、聞いてビックリの授業料、送り迎えによる時間の拘束。本当に家族一丸となって受験戦争に立ち向かうといった感じである。
部活に入れば朝練もあるし帰宅時間も19時近いだろう。それから宿題をやって塾へ行く・・・どこの子供もやってることなのだろうが、やはり倅にはきついと思いしばらく様子もみようと辞めさせた。進学塾なので辞めるのも先生と三者面談で大変であった。
今まで塾に頼りっきりで倅の教科書一つ目を通した事がなかった。何を今学んでいるか関心も持ったことがなく何れくらいのレベルかなんて塾の全体模試の順位くらいで判断するだけで本当に放置していた。塾をやめると言い出した事でここ数日、倅の勉強を見てみたのだが
・・・・・ひどいものである・・・・
冷水を浴びたようだった。特に国語が・・ヒド過ぎる・・・。文字が二行以上書いてあると脳が拒否反応を示し全く集中できないようだ。
愕然とした、、6年間(幼稚園時代も入れるともっとか・・・)放任した結果がこれとは・・・・
そもそも勉強ってなんだろう、よい高校や大学に入るために勉強するのではない。それはあとからついてくる結果である。私も自分の学生時代を思い出しても確かにあの時は勉強が苦痛だった。数学なんて大嫌いだったのに理数系を選択したり何やってるか自分でも全くわかってなかった。でも今になってあの時もっと勉強をするんだったと思う。その時しか勉強ってできないんだから、数学ももっとしっかり楽しんで学ぶべきだった。親が働いて行かせてくれた学校だったのになんてもったいない時間の使い方をしたのかと思う。
子供には今しか出来ない事を十分楽しんでやって欲しいと思うのだが、いい親でいなきゃあとその事で自分を追い込んで子供に当たり散らしたり最悪の結果となるのが毎度の事である。
子供育ては自分育てとは良く言ったものだ。私の(おそらく長くなるであろう)人生の中で倅と学んでいけるのもあと3年、高校入れると6年位のものかな・・・投げ出さず真剣にぶつかって歩んで行ければと思う今日此の頃。
正直、子供の為に自分はやりたいとこも出来ず“犠牲になっている“と考えているイケナイ母親なのだ。独身の人や結婚しても子供のいない人がうらやましかった。自分の子なら可愛いかと思っていた、自分とは全く違うイキモノ。子供にどう接していいかわからなく悩む事もあった。幼児虐待をする人の気持ちがなんとなく理解できる自分が怖かったり‥‥
そう、無理する事ないし、考える事もない。子どもが育つ魔法の言葉 (PHP文庫)
塾をやめさせたというただそれだけの事で何かが吹っ切れた気がした。

ちょっと反省しようかなと思う時に読む本


期待しすぎると、子どもは疲れてしまう
規則で縛り付けると、子どもは抜け道を探す
何でも言う事を聞いてあげると、子どもは自己中心的になる
失敗ばかりさせていると、物事を途中で投げ出す子になる
約束を破ってばかりいると、子どもはやる気をなくす
否定されてばかりいると、子どもはどうしていいかわからなくなってしまう
子どもの気持ちを大事にすれば、子どもは思いやりのある子に育つ
信じてあげれば、子どもは本当の事を話してくれる
親が自分に正直に生きていれば、子どもも自分に素直になれる
子どもに任せていれば、子どもは責任感をもつようになる
親が自立していれば、子どもも自立の芽を伸ばす
健康な生活を送っていれば、子どもは体を大切にする
支えてあげれば、子どもは明るい子に育つ
違いを認める家庭であれば、子どもは生き生きする
あたたかい目で見守ってあげれば、子どもはやさしい子に育つ
子どもを信じて未来を託せば、子どもは頼もしい大人になる

    □『子どもが育つ魔法の言葉』より    ドロシー・ロー・ノルト